生活習慣がくずれるとか、掃除もせずに散らかしたままなどのだらしなさは、大なり小なり多くの子どもに見られます。これは『自分づくり』の作業が進んでいることの証です。大事と思うことでは、譲らず親の考えを伝えていく『きびしさ』はもちろん必要です。しかし、こまごまと注意するのは逆効果です。反抗期のため、母親はうっぷん晴らしや喧嘩の相手役にされやすく、時には先が見えないトンネルの中にいるような辛さを味わいます。でも、子どもを信頼して、辛抱強く待ちましょう。必ず、ひとまわり大きくなって帰ってきます。
高校生になると、家庭でのしつけ期としては最終ラウンドだという点に、親は目を奪われがちです。その気配りが不要とは思いませんが、自分の人生をどんなふうに歩んでいこうかと悩みや不安を抱えている子どもの姿に共感でき、後ろから見守る『やさしさ』が、むしろ大事かと思います。親自身の社会や人生に対する価値観を問い直される場面が何度も出てきます。進路選択の場面では、「子どもの人生の主人公は子どもなのだ」と肝に銘じることが必要だと考えます。
そして、親の生きる姿勢・きびしさ・やさしさは、たとえその時でなくとも、いつかは必ず、子どもに伝わります。